全世界を震撼させたアメリカ同時多発テロから17年、これまで明かされなかった〈9.11直後の最初の戦い〉の全貌が、遂に映画化された。
2001年9月11日のその翌日、ミッチ・ネルソン大尉は、最も危険な対テロ戦争の最前線部隊に志願し、特殊作戦の隊長に任命される。わずか12人でアフガニスタンへ乗り込み、反タリバンの地元勢力を率いるドスタム将軍と手を結び、テロ集団の拠点マザーリシャリーフを制圧するのだ。だが、現地に着いた彼らに、次々と予期せぬ危機が襲いかかる。敵の数はまさかの5万人、しかも彼らは米兵の命に高額の懸賞金をかけていた。さらに、将軍から険しい山岳地帯で勝利を収めるための最大の武器は、ほとんどの隊員が1度も乗ったことのない“馬”だと言い渡される──。
タイムリミットは3週間、最新鋭の兵器を駆使するタリバン相手に、前時代の遺物のはずの“騎馬隊”で反撃する12人。あの日散った何の罪もない人たちとその遺族、そして未来のために、壮絶な戦いに挑む者たちの誇り高き魂の実話。
9.11発生から1ヶ月強、アメリカはテロの首謀者をかくまう武装過激派組織タリバンに対し、最初の反撃となる極秘作戦を実行した。作戦にあたったのは、ミッチ・ネルソン大尉をリーダーとするアメリカ陸軍特殊部隊の12名。対ゲリラ作戦を得意とする、通称グリーンベレーと呼ばれる精鋭だ。
本作では、衣装デザインチームの1人が元特殊部隊員ということで、独自のルートから得た正確な情報に従って衣装が用意されたという。アフガニスタンにおけるネルソン大尉達の装備の傾向(通称:初期アフ装備)にも注目したい作品となっている。
装着しているオプションパーツには個人差があるものの、プライマリーウェポンにアサルトライフルの「SOPMOD M4」、サブウェポンにハンドガンの「M9ピストル」というのは共通している。
「SOPMOD M4」は、キットとして用意されている光学サイトやフォアグリップなどを、レイルハンドガード仕様のM4A1に適宜装着できるようにしたセットだ。オプションパーツを付け替えるだけで、1つの銃が様々な状況に対応できるよう考慮されている。
オプションパーツの選択は、同じチーム内でもポジション(役割)や好みなどによって変わってくる。例えばネルソン大尉のチームでも、トップレイルにはスコープかキャリングハンドルが装着してあり、レイルハンドガード下部にはフォアグリップ(+フラッシュライト)かグレネードランチャーが付いている。各隊員の戦い方とあわせてチェックしたいポイントだ。
モジュラーウェポンシステムを取り入れ、状況に合わせたオプションパーツの選択・搭載が可能になったM4モデル。
1985年にアメリカ軍のサイドアームとして制式採用されたハンドガン。様々な作品に登場し、日本でも人気が高い。
ネルソン大尉らが着用しているBDU(迷彩服)は「3C迷彩(通称:コーヒーステイン)」と呼ばれるもので、砂色に見えるほど薄いグリーン/ピンクが基調となっている。1991年の湾岸戦争時にアメリカ軍が採用していた「6C迷彩(通称:チョコチップ)」の教訓(色合いが中東・中央アジアの風土に合わず熱も吸収しやすい)を元に開発された3C迷彩は、確かにアフガニスタンの風土にマッチしているようだ。
なお、今でこそ高性能なBDUや装備品を様々な部隊が独自に開発・採用しているが、当時のアメリカ軍では同じBDUを全軍で採用している状況だった。また、この頃は迷彩の効果がようやく本格的に重要視されてきた過度期であり、湾岸戦争以降増えている乾燥・砂漠地帯での作戦に向いたカラーの装備品(防弾プレート入りベストやホルスターなど)も、まだまだ選択の幅が少なかったようだ。
そのため、ネルソン大尉ら12名も一様に3C迷彩を着ているが、装備品については一部O.D.カラーであったり、ホルスターがブラックだったりと、アフガニスタン北部の山岳地帯のカラーに対して多少ちぐはぐな面が見える。しかしこれこそが、ミリタリーファンに今でも人気の高い“初期アフ装備”の特徴なのだ。
配給:ギャガ
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