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SPECIAL ARCHIVES SAMURAI EDGE Barry Burton MODELVer.Ⅱ バリー・バートンモデルVer.Ⅱ発売記念

Ver.I x Ver.II 新旧モデル徹底比較

洋館事件から長年の月日を経て、「“今の”バリー・バートン」のために作られた「サムライエッジ バリー・バートンモデル Ver.II」。大型のコンペンセイターなどに前作のイメージが残るものの、そのカスタム内容は単なるリファインに止まらない大掛かりなものとなっている。
なぜカスタムコンセプトを見直す必要があったのか、再構築したコンセプトを仕様としてどう落とし込んでいったのか、新旧モデルを比較して紐解いていこう。

  • サムライエッジ バリー・バートンモデル(Ver.I)
    1998年、S.T.A.R.S.隊員だったバリー・バートンが、支給されたサムライエッジにパワー不足を感じて、親友のジョウ・ケンドにカスタムを依頼したもの。
  • サムライエッジ バリー・バートンモデル Ver.II
    BSAAのアドバイザーとなったバリーが、愛用していたサムライエッジ(Ver.I)が大破したことを機に、クエント・ケッチャムにカスタムを依頼したもの。

カスタムコンセプトの大幅な見直しと、弾薬(口径)の選択

S.T.A.R.S.の隊員となるそのさらに前、バリーは警察特殊部隊SWATに在籍し、麻薬組織の検挙を目的とした数々の作戦に参加してきた。
麻薬組織に関わる者の多くは、供給者であると同時に使用者でもある。薬によって感覚が麻痺した彼らは、9mm弾のパワーではまるで怯みもしない。そして痛みも理性も無くした手負いの逃亡者の牙は、職務にあたる仲間だけでなく時には近隣の人々にも向けられ、新たな惨劇を生み出す。

重ねた経歴と同じだけの不幸をSWATで目の当たりにしてきたバリーは、その苦い経験から「守るためには、確実に仕留めなければならない」という信念を抱き、彼のサムライエッジにもその想いが反映されている。
しかし、「確実に仕留める」ためのアプローチ方法は年を経て大きく変わることとなる。

確実に仕留める「パワー」を欲したS.T.R.A.S.時代のバリー

警察組織では、採用していた9mmパラベラム弾のパワー不足が度々議論されてきた。多くの犯罪者が薬物に手を染める現実もあるが、防弾装備で重装備をするようにもなってきたからだ。
着弾の衝撃が大きい=マンストッピングパワーのある弾薬であれば、身体のどこかにヒットさせることで否応なしに相手を無力化することができる。そう考えていた「パワー信奉者」のバリーは、S.T.A.R.S.の中で一人、.40SW弾を使用する「M96F」をサムライエッジのベースに選んだ。
強力な弾薬であるほど銃が暴れてコントロールしにくくなるものだが、大柄で強靭な肉体を持つ彼にとって、それは大きな問題ではなかった。力で制御し、ヒットさせることを第一に考えればいいのだから。

使用弾薬:.40SW

9mmパラベラムより径が1mm大きい.40SWだが、弾頭重量は1.5〜1.8倍にもなる。
バリーが使用していたのは、さらにパワーがある+P(プラスパワー)の強装弾だ。

カスタムコンセプト:精度よりも(マンストッピング)パワーを重視したサムライエッジ

パワーのある弾薬を使うため、銃の耐久性を大幅にアップし、強烈な反動をコントロール可能なレベルまで抑える必要がある。この当時はまだバイオテロが表面化しておらず、その点は想定されていない。

最高の「パフォーマンス」を求めたBSAA時代のバリー

かの洋館事件から長い年月が過ぎ、バリーはついに老境に差し掛かろうとしていた。戦士としてのピークを過ぎ、もはや昔のように.40SWのパワーを制御できないということは、彼自身が一番理解していただろう。
今の自分の身体能力を鑑みて.40SWよりパワーで劣る9mmパラベラム弾を選んだ彼は、決して「確実に仕留める」ことを諦めたわけではない。反動を軽減し、安定性や携行性を向上させることで、パワーを補うだけのアドバンテージが得られると考えたのだ。
まるで身体の一部のように思うがまま操り、狙い通りの結果を叩き出す。「今の自分」が最高のパフォーマンスを引き出すことができるそんなサムライエッジを、バリーはクエントに望んでいた。

使用弾薬:9mm Parabellum

比較的反動が少なく、径が小さいためマガジンに装填できる弾数も.40SWより多い。
この口径で最大限のパワーを発揮するため、通常よりも強力な特殊強装弾にしている。

カスタムコンセプト:己の身体能力で無理なくしかし最大限の性能を発揮できるサムライエッジ

反動を軽減しつつ重量バランスを見直して安定性や携行性の向上を図り、余計な負担を軽減。また、対バイオテロを前提とした腐食・破損対策を施す必要がある。