カプコン公式設定・開発秘話 センチネルナイン徹底解明

1 対バイオテロ組織「DSO」の装備開発計画

対バイオテロ装備の必要性

DSOエージェントたちの作戦行動は、捜査や諜報活動が主となっている。
彼らに支給される銃火器類は、携行性がある高性能なハンドガンがメインだが、軍や警察向けに開発された銃火器はバイオテロのように特殊な状況、生物兵器を想定して開発されたものではない。
DSOが、エージェントたちが対峙する特殊な状況や作戦に備えた「専用」の装備開発を日々行い、支給するという考えに至ったのは、当然の流れだと言えるだろう。

センチネル・プロジェクトの復活

かつて、アメリカ合衆国には「FBC(Federal Bioterrorism Commission)」とよばれる大規模な対バイオテロ部隊が存在していた。FBCはバイオテロの鎮圧を目的とした部隊であり、DSOとは異なる性質をもつ組織だったが、小国の軍事予算に匹敵するほどの潤沢な資金力による専用の装備開発も行なわれていた。
対バイオテロに特化したこの装備開発計画には「センチネル」というコードネームがつけられている。
FBCの解散によってセンチネル・プロジェクトも自然と消滅した。
しかしこの計画で考案された様々な装備、製造された試作品、バイオテロがもたらす特殊な状況についての分析といった膨大なデータに目をつけたDSOによって、センチネル・プロジェクトは復活することとなったのである。

レオン・S・ケネディ と センチネル・プロジェクト

レオン・S・ケネディ

DSOによって復活したセンチネル・プロジェクトには、幾度となくバイオテロの現場を経験してきたDSOの代表的エージェント、レオン・S・ケネディがスーパーバイザーとして参加している。
1998年のラクーンシティ、2002年のオペレーション・ハヴィエ、2004年の大統領令嬢誘拐事件などのバイオテロを生きのびてきたレオンの豊富な経験が、装備の開発に有用だと認められたためであった。
かつて「デザートイーグル」という強力なマグナム・ハンドガンを使用していた彼は、多くの実戦経験を通して銃器類に精通し、いつしかエキスパートとなっていった。

※ 設定・画像協力:株式会社カプコン

※ この設定はゲーム「バイオハザード」シリーズの世界観をもとにしたフィクションです。実在の人物、団体、事件等とは一切関係ありません。

— 東京マルイ広報に聞く —“センチネルナイン”開発のキッカケ

カプコン 常務執行役員の竹内様はかなりのガンマニアで、大阪ショットショー(ミリタリーイベント)では毎回お会いしています。顔を合わせるたびに「何か新しいコラボレーション企画をしたいですね」というのがお互いの口癖でした。

「センチネルナイン」開発のキッカケは2011年にお会いした時ですね。その年はバイオハザード15周年で盛り上がりましたし、2012年には映画「バイオハザード ダムネーション」が公開となりさらなる盛り上がりも期待できますので、本格的に「新しいコラボレーションモデルの企画を動かそう」ということになりました。

もちろんその時はまだ「センチネルナイン」の構想もできていませんでした。ただ、2011年にサムライ・エッジのクリスモデルとバリーモデルを再販したことですし、そろそろサムライ・エッジに一区切りつけて新しい展開をしたいというところから始まりました。

「バイオハザード6」の主人公がレオンということで、「レオンモデル」という点については早々に決定しましたね。
僕としてはお馴染みの「デザートイーグル」をベースにしたいとも考えていました。「デザートイーグル50AE 10インチバレル レオンカスタム」を購入された方はご存知かと思いますが、説明書の中に「デザートイーグルの10インチ フルバレル・カスタム」を“レオン自身のラフスケッチ”として掲載しています。この製品化がいいかなと思ったわけです。

デザートイーグル10インチモデル フルバレル・カスタム

ですが、レオンのデザートイーグルは3種類発売してきましたし、東京マルイ社内では「デザートイーグルはもういいのでは?」という声もあり、それ以外のモデルも検討をしていました。
そしてカプコンのプロデューサーからも「デザートイーグル以外のモデルにしましょう」というリクエストをいただきましたので、「デザートイーグル以外で、サムライ・エッジのように系統化できる新しいモデル」(※1)という方向性が決まったのです。

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DSOとは?

アメリカ合衆国が「バイオテロ」を始めとする数多の脅威から国家を守るために設立した組織。
DSOとは“Division of Security Operations”を略したもの。
特殊な状況への即応性と柔軟性を持ったエージェントたちを様々な組織から選抜し、大統領直轄のエージェント組織として活動している。
彼らの作戦は捜査や諜報が中心であり、「単独」もしくは「少人数」で遂行されることが多い。

DSOのエンブレム
FBCが残した資料(抜粋)

FBCのセンチネル・プロジェクトの資料には、興味深いクダリがある。

…総評:我々FBC・小火器研究班が世界中のありとあらゆる武器を研究分析した結果、ハンドガンのベースとなる銃を、ベレッタ社の「M92F」、IMI社の「デザートイーグル」、SIG社の「P226R」の3点にまで絞り(中略)最終的にSIG社の「P226R」が望ましいという結果にいたった…

興味深いのは、FBC・小火器研究班が絞り込んだハンドガンの中にM92F、デザートイーグル、P226Rがあるということだ。
別ファイルには「戦闘におけるサムライ・エッジの有用性について」というものも存在しており、S.T.A.R.S.が使用していた「サムライ・エッジ」も徹底的に分析していたことも裏付けられている。


※1:サムライ・エッジの系統

ゲームにも登場する「サムライ・エッジ」は、ラクーンシティの警察特殊部隊「S.T.A.R.S.」隊員の為にガンスミス ジョウ・ケンドの手でカスタムした「M92F」ベースのハンドガンだ。
S.T.A.R.S.隊員達に支給されるスタンダードモデルの他、クリス、ジル、バリー、ウェスカーの4名はそれぞれ個人的にさらなるカスタムをジョウ・ケンドに依頼している。

  •  スタンダードモデル
  • クリスモデル
  • ジルモデル
  • バリーモデル
  • ウェスカーモデル